農政・農協ニュース

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JAグループの復旧・復興提案 農水省などに要請

 JAグループは4月14日、「東日本大震災復興・再建対策JAグループ中央本部」の第1回会合を開き、そのなかで決定した「東日本大震災の復旧・復興および原発事故対策に関する第一次要請」の内容をもって同日午後、鹿野道彦農水相などへの要請活動を行った。

左から菅原副会長・高橋会長・石嵜副会長・茂木会長 農水省では本部長の茂木守JA全中会長は「直近の現場の事情とJAグループの提案を政府の復興提案に盛り込んでいただきたい」と申し入れ、各県の代表らが痛切な現地の現状を伝えた。
左から庄條会長・林会長・江原会長・冨士専務 要請を受け、鹿野農水相は「農業をやりたいという人たちができるだけ現場に復帰できるよう具体的な内容を強く求めていく。東日本大震災復興構想会議も今日から始まり、農水省としても次の時代に評価される復興モデルをやっていきたいという強い思いがある。いただいた要請を大切にしながら強く主張していく」などと述べた。
 関係県代表からの要請は以下のとおり。   

 

(写真)
上:左から菅原副会長・高橋会長・石嵜副会長・茂木会長
下:左から庄條会長・林会長・江原会長・冨士専務

 

★JA福島中央会・庄條【徳】一会長
 農業者は明日の生活さえ困窮している状態。わが県は復興の槌音さえ聞こえない状態で路頭に迷っている。仮払金、つなぎ資金(一時金)の一時も早い支出をお願いしたい。

★JA茨城中央会・石嵜征夫副会長
 原発事故の発生から風評被害が拡大し被害がやまない。政府や東電には補償を求めるが、なによりも前に生活資金として仮払金、一時金の支払いを速やかにしてほしい。生活に困った農家からはJAの出資金の一部を返還要請する人も出ている。不良債権を抱える人から融資を出してほしいという相談を受けている。しかし融資条件もあり、JAとしては融資できないので政府補償をなんとかしてほしい。困った農家を助けるのは政治の力しかない。そういう手だても構築してもらいたい。

★JA栃木中央会・【高】橋一夫会長
 イチゴは6000万円の被害が出ており、出荷自粛以外の品目への風評被害は大きい。水稲は播種前契約を進めているが、先行きが見えず契約がなかなか結べない状況。農家は不安を抱えながら毎日営農している。仮払いでもいいので早急に損失部分を補償してもらいたい。

★JA宮城中央会・菅原章夫副会長
 津波の被害を受けた農地は国の一括買い入れによって再整備をしてもらいたい。やる気をなくしていた農家も最近は復興に向けた気持ちが強くなってきているので国の力に頼りたい。余震による被害も拡大しておりパイプラインの見通しもたっていない。施設被害があまりにも大きく、JAだけで修復するのは難しいので協力いただきたい。

★JA千葉中央会・林茂壽会長
 葉物など1単協で260億を販売していた旭市地域がもっとも被害を受けている。6日現在での風評被害による影響は4億5000万円。県内の水田約2200ha強が耕作不能の危機にある。

★JA埼玉中央会・江原正視会長
 ホウレンソウ、コマツナ、ブロッコリーは日本一の生産高を誇っているが風評被害が価格下落に表れている。風評被害に係る損害についても補償の中では考えてもらいたい。


※【 】内の字は正式には旧字体です。

(2011.04.15)