4月20日現在でこうした措置をとる国と地域は30カ国にのぼっている。
具体的な措置は▽日本のすべての食品について輸入停止または産地証明や放射能基準適合証明書を要求、▽日本の一部食品について輸入停止または証明書要求、▽検査強化などがある。
たとえば、中国は12都県(宮城、福島、山形の東北3県と関東6県、新潟、長野、山梨)はすべての食品と飼料の輸入停止と、12都県以外は産地証明書を要求している。
米国は福島、茨城のホウレンソウ、カキナ、原乳は輸入停止、群馬、栃木などを加えた6県に対しては牛乳・乳製品、果物などを対象に放射能基準適合証明書を要求したり、米国でサンプル検査を実施している。
国・地域によって輸入規制対象の県が異なっているが、ベトナム、マレーシア、アラブ首長国連邦など47都道府県すべてを対象として、すべての食品、飼料を輸入停止などにしている国が多い。
国によって規制が異なる背景には、食品に認められる放射性物質の指標値にかなりのばらつきがあるという実態がある。
たとえば、野菜類の放射性ヨウ素の指標値は日本では2000ベクレル(bq)/kg(暫定規制値)だが、中国は160bq、米国は170bq、EUは2000bqなどとなっている。これは各国が自国の食品摂取量などを考慮して指標を決めているためだ。
農水省は、国際機関などが示している基準に比べあまりに厳しかったり、科学的根拠が問われるような規制については相手国に照会しているという。ただ、国内で安全が確認された後も輸入規制は長期化するおそれがあるとしている。
農林水産物、食品の輸出総額は2010年で4920億円となっている。おもな輸出先は香港、米国、台湾など。
輸入規制についての詳細は農水省ホームページに掲載され適宜更新されている。