補正予算の全体額は4兆150億円。東日本大震災からの早期復旧に向けて年度内に必要と見込まれる経費を計上した。財源は追加の国債発行をせず、子ども手当の減額、高速道路無料化の社会実験の一時停止、ODA(政府開発援助)予算の縮減などで捻出した。
農地・農業用施設の復旧予算では、排水機場などの応急対策と、除塩事業、農地の災害復旧を市町村に代わって国・県が実施する仕組みを新たにつくる(689億円)。津波によって水につかった農地から国が保有しているポンプで強制的に排水する事業も実施する(9億円)。
また、被災したJAなどが所有する共同利用施設の復旧予算も盛り込まれた(76億円)。
生産手段・流通機能を回復対策では、「東日本大震災農業生産対策交付金」として341億円を都道府県に交付、農業機械の導入、生産資材の購入、土壌分析などを支援する。
畜産農家の支援策では、東北地方の畜産農家に対して北海道、九州から配合飼料を供給する場合に配送基地までの輸送経費を助成する(11億円)。
経営の継続・再建支援策として、経営再開の意思のある農業者の復旧の取り組みに対し支援金も交付するなどの事業も盛り込まれた(52億円)。
そのほか放射性物質の緊急実態調査(2億円)、農産物の放射性物質調査など(1億円)など安全確認対策もある。