それによると、建物更生共済は6500億円、生命総合共済は800億円と見積もられている。平成7年の阪神・淡路大震災における建更の支払額は1188億円だったのでその6倍ということになる。
共済金の支払い担保力について、建物更生共済は、再保険の回収見込額と21年度末で1兆7300億円計上されている異常危険準備金の取崩しにより十分に対応が可能だという。また、生命総合共済の共済金支払見積額は、異常危険準備金の取崩しの必要がない水準であり、なんら問題がないとしている。
4月27日までに判明している被害状況は、22都道県で26万6000棟だが、今回の見積りでは30万棟と見込んだ。そのうち津波によるものが1割、地震によるものが9割だが、津波の場合は「全損認定」がほとんどなので、金額での比率は変わることになる。被害の約半数が東北地方となっている。
大震災発生後、JA調査員、被災県本部損害査定員のほか、被災県以外の都道府県本部と全国本部からの損害査定員を加え、1000人規模の損害調査体制を構築して、原発事故で立入が禁止されている地域を除き、5月下旬を目途に損害調査を完了し、できるだけ早く被災者に共済金の支払いをしたいとJA共済連では考えている。
今回の大震災と阪神・淡路大震災との違いについて、(1)津波被害が発生(2)原発事故が発生(3)被災地域が非常に広域(4)行方不明者が多い、ことなどがあると分析している。
なお、JA共済連では、今回の大震災による共済金の支払いについて、基本的には平成22年度決算に計上する予定にしている。