貿易交渉委員会議長でもあるラミー事務局長は、鉱工業品(NAMA)の分野別関税撤廃については、関係国の立場に大きな違いがあり、これが交渉の年内妥結を危うくしていると指摘、交渉全体が深刻な状況にあると分析している。
そのうえで、ドーハ・ラウンドの失敗を避けること、WTO体制の有効性を維持するために、各国に今後の交渉をどう進めるべきか、熟慮するよう求めた。
同時に各交渉分野の議長報告も提示されたが、農業交渉でもテキスト改訂は行わず、現状評価にとどまった。
報告書では、日本が重視する「重要品目」の数や扱い、「上限関税」、「関税割当の新設」について、テキストを改訂するまでの交渉進展はないとされた。今後の進め方については、議長が各国と協議を行うとしている。
日本としては、引き続き「多様な農業の共存」などの主張実現をめざして積極的に議論に参加していく方針だ。