農地の除塩事業と農地の災害復旧を市町村に代わって国・県が実施する農地・農業用施設災害復旧等事業は689億円が計上された。
また、被災地では農地・農業用施設など農業生産基盤が損壊しただけでなく、地震による地盤沈下など地形の変化も起きている。こうした地域の復旧にあたっては、地域の被害状況を精査したうえで将来の復興を見据えた対策をとる必要があることから、農地や農業用施設の点検・診断などための調査費用(農地・農業用施設等災害復旧関連調査)も26億円盛り込まれている。
JAの農業倉庫なども大きな被害を受けているが、農家の経営維持と安定のため、共同利用施設復旧のための経費の一部を国が負担する予算も措置された。総額は75億円。
1か所の工事費用が40万円以上の復旧事業が対象(補助率:40万円まで=3割、40万円を超える分=5割)となる(激甚災害法で規定された告示地域は13万以上が対象)。
◆農業施設へ交付金も
そのほか交付金で、乾燥調製貯蔵施設、集出荷施設、家畜排せつ物処理施設などや、バイオマス、小水力などの再生可能エネルギー施設の復旧のための予算も確保された(東日本大震災農業生産対策交付金、341億円)。
地域で経営再開に向けて復旧災害に取り組む農家個人への支援策も決まった。
作付が困難になった農地の復旧作業を共同で行う農家に対し、復興組合(仮称)を通じて経営再開支援金を支払う。総額52億円。
10aあたり単価は水田作物3.5万円、露地野菜4万円、施設野菜5万円、果樹4万円。
畜産は頭羽数で支援金を支払う。乳用牛2万9700円、肉用牛1万500円〜18万2200円、豚2万2400円、鶏1万2000円(千羽あたり)となっている。