◆意欲だけでなく集中力も高い
朝ごはんの実態調査とあわせて、子どもらに「学習(スポーツ)が好きだ」「学習(スポーツ)の目標を立てている」「好きな科目(競技)がある」などの学習・スポーツへの意欲も調べ、その相関関係を調べた。
子どもの朝ごはんについて、母親が「よく噛んで食べていると思う」と答えたうち、学習意欲が高い子どもは64%、低い子どもは16%、スポーツへの意欲は高い子が59%、低い子が14%と、どちらも意欲の高い子は低い子の3倍以上いた。
一方、「よく噛んでいるとは思わない」との答えでは、学習意欲が高い子は32%、低い子が44%、スポーツ意欲は高い子が34%、低い子が44%と結果は逆転し、意欲の低い子が多かった。
◆自然とよく噛むようなメニューの工夫を
また、勉強への集中力との関係では、「よく噛んで食べていると思う」子どもは30分以上集中できる子が2割以上、15分以上だと6割を超える一方、「よく噛んでいるとは思わない」子どもは5割以上が15分未満、30分以上集中力が続く子は1割ほどしかいなかった。
調査を監修した歯学博士の田沼敦子氏(高浜デンタルクリニック院長)は「よく噛むことと意欲の関連性を実証したデータだ。噛むことで、感情、判断力、論理性、計画力などを司る前頭連合野が刺激されて意欲が高まる」と分析している。ただし、子どもはなかなか意識して噛むことが出来ないため、「噛みごたえのある食材を選ぶ、素材を大ぶりにする、など自然とよく噛んでもらえる工夫をし、食事をする時にはよい姿勢で食べるように気を配ってほしい」とコメントしている。