調査は4月28日から5月10日まで、集落営農組織の代表者や大規模認定農業者などを中心に126戸に対し、市とJAの職員が直接訪問するなどして聞き取りをした。
今後の営農については93%が「継続したい」と答えた。継続する場合の営農方式については、水田では63%が集落営農での復興を希望しており、畑では88%が個別営農を望んでいる。
農地の復旧方法については、57%が大規模区画への再ほ場整備を望み、42%が現状規模での復元を望んでいる。
現場では、「生活・営農の基盤が決まらないと何もできないので、家が建築できる区域の線引きを早く示してほしい」との声が多く、ほかには「ガレキの撤去や塩害対策など、農地の早期回復」、「農地が回復するまでの生活支援」などを望む声が上位を占めた。また、「今こそ、JAが地域の農地を一括で借り上げ、その農地を担い手に貸すようなシステムを構築すべきだ」との意見もあった。
JA仙台では「この調査結果を受けて、農業者の意向をしっかり市の復興再生ビジョンに取り入れてもらうようPRしていきたい」(震災復興・総合企画部)としている。
連絡会は6月頃、今回調査できなかった中小規模の農業者などを対象に引き続き調査を行う予定。
【仙台市東部地区】
南北は名取川から七北田川まで、東西は仙台東部有料道路周辺から太平洋岸までの一帯で、同市若林区すべてと宮城野区、太白区の一部にあたる。農地約2300haはほとんどが水田で、8割にあたる1800haほどが津波の被害を受けた。およそ800戸ほどの農業者(非耕作者除く)が住んでいた。