◆海外の情報も共有
会は発足後、国民に広くTPPの問題点を訴えようと「国民との対話集会」を開催する予定だったが、東日本大震災の発生でほとんどの予定を延期していたが、この日の会議で通常国会閉会後の6月末から7月初めに再開することを決めた。具体的な開催場所、内容は今後検討する。
また、TPPについての外国の情報収集にも力を入れる方針で7月にはニュージーランドのジェーン・ケルシー教授を招いた講演会も開催する。ケルシー教授は『異常な取引―TPP協定を暴く』の著者でオークランド大教授。
会合では民主党のTPPを慎重に考える会会長の山田正彦衆議員議員(前農相)が情勢報告。震災で農業、漁業が大きな被害を受けTPP参加は当然見直されるとの受け止めもあったが、「どうも政府筋の間ではそうは思っていないようだ。外務省、経済産業省はしっかりと(検討を)進めていることが分かってきた。与謝野経財相も11月には参加を決めたいなどと話した。震災も気になるがTPP問題にどう取り組んでいったらいいか、ご意見をうかがっていきたい」と述べた。
◆総理は被災者にTPP推進と言えますか?
出席した議員からは「復興とTPPを考えるという視点で被災地でぜひ集会を。復興のためのTPPではない
ことを示すべきだ」(福島伸享衆院議員・茨城)、「米国の本当の狙いは金融。農業、農業といっているが米国のマーケットにするということ。日米関係としてきちんと考えるべき。根本論を示すべきだ」(小林興起衆院議員・比例東京)などの意見が出た。赤松広隆元農相も出席した。
また世話人の学識者からも意見が相次いだ。
太田原高昭・北大名誉教授は「被災地は復旧に向けて大変な気力を振り絞らなければならないのにTPP推進では気力がなくなる。菅総理は被災者の前でTPP推進と言えますかと、言いたい。TPPときっぱり縁を切ることが復旧のなによりの力になる」と強調した。また、鈴木宣弘・東大教授は「この問題は一生懸命議論したがダメだった、では済まない。止めることを考えなくてはいけない。どう止めるか、覚悟を決めていただきたい」と述べた。
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