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企業年金の資産残高73兆円に

 信託協会・生保協会・JA共済連は3業態にかかる企業年金の受託概況(23年3月末現在、速報値)を公表した。

 それによると企業年金の資産残高は、72兆9258億円で、前年同期より1兆5180億円(2.0%)減少した。
 資産残高の内訳は、厚生年金基金が27兆8538億円(対前年比▲4.0%)、確定給付企業年金が41兆9721億円(同+7.5%)、適格退職年金が3兆998億円(同▲51.6%)となっている。
 また、業界別には、信託業界が58兆8838億円と全体の80.7%を占め、生命保険業界が13兆6857億円、JA共済連3562億円となっている。
 昭和37年に創設以来企業年金の代表的な存在であった適格退職年金が24年3月末に制度廃止期限を迎える。廃止が決定された14年3月末時点で7万件超あった件数は、その後企業年金制度などへの移行が進み、今年3月末では約8000件となった。引き続き税制上の優遇措置を受けるためには、他の制度に移行する必要があるため、受託機関ではさまざまなプランを提案し、移行推進に取り組んでいる。
 現在の企業年金加入者数は、厚生年金基金451万人、確定給付企業年金727万人、適格退職年金126万人となっている。加入者総数は、制度への重複加入はあるものの1305万人となり、厚生年金保険の被保険者数3424万人から推計すれば、民間サラリーマンの約4割が企業年金に加入していることになる。

(2011.05.26)