米の先物取引については今年3月、東京穀物取引所と関西商品取引所が農水省に対して試験上場の認可申請を出しており、農水省は6月中にも判断を示す見込みとなっている。
米の先物取引については平成17年に同様の申請が行われたが、農水省は「生産調整への参加を誘導している政策との整合性を保てない」との理由で不認可とした。
決議では戸別所得補償制度が導入された現在でも、生産調整政策との整合性が保てないという理由は同じであることや、投機資金が世界の穀物価格高騰の要因として問題視されているなか、主食をマネーゲームの対象とすることは食料安保上の問題であることなどから、JAグループは「たとえ試験上場であっても断固として反対」とした。
また、組合員の営農支援や地域のライフラインとしてのJAグループの役割やJA経営の健全性が求められているなか、「JA・連合会が投機資金によって相場が乱高下する先物取引に参加することになれば生産現場は大混乱し、地域では大きな不安・不信を招くことになる」と強調し、不参加を組織の総意として確認した。
同日、鹿野農相にも不認可と判断するよう茂木会長が求めた。農相は「6月25日までに省として回答することになっている。よく検討していきたい」と述べるにとどめた。