農政・農協ニュース

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「雪エネルギー」の活用で米穀貯蔵  JA北いぶき

 新エネルギーに注目が集まる中、JA北いぶき(北海道)の沼田支所には雪国ならではの発想から雪エネルギーを使った米の貯蔵施設がある。

◆豪雪地帯生かした取り組み

スノー・クール・ライス・ファクトリー 「スノー・クール・ライス・ファクトリー」と呼ばれる「沼田町米穀低温貯留乾燥調整施設」は平成8年に完成した。沼田町から委託を受け、同JAが運営・管理を行ってきた。
 豪雪地帯の雪を何かに利用できないかとJA合併前の旧沼田農協と沼田町が協議し、当時雪を利用した冷房装置はあったものの産業的な取り組みはどこもやっていなかったことから、地域資源である雪と地元産の米による新しい取り組みの話が生まれた。
 その後も沼田町は積極的に雪を新エネルギー源として活用を進めており、平成14年には雪と共生するまちづくりをめざして「輝け雪のまち宣言」を掲げている。


◆コストや環境にもメリット

雪入れ作業 施設では秋に農家から荷受けした約30万俵のうち、5万?8万俵をもみの状態で翌年まで保管している。この際に活用するのが雪冷熱だ。貯蔵庫の温度が上昇する4月中旬?8月中旬に、雪を冷熱源として使うことで温度5度、湿度70%というもみ貯蔵に必要な環境が維持できる。雪は2月下旬に施設周辺で収集したもので、約1500tを貯雪槽に貯めている。
 米の品質維持だけでなく、低温倉庫で保存していたころに比べるとランニングコストは5分の1に。また通常の冷房機のようにフロンなどの化学物質を使わないため環境にもやさしく、ほとんど電力を使わず災害時でも対応できるなどの利点がある。
 この施設で貯蔵された米は「雪中米」というブランドで販売している。この取り組みについて「今の時代にマッチしている」(販売事業部)と今後の展開にも期待を寄せる。

(写真)
雪入れ作業

(2011.06.16)