それによると「当面の考え方」として次の4点をあげている。
1)今回の事故は国レベルの緊急事態であることから、政府の定める判断・指示に沿った対応を行う。現行の国の管理のあり方については、見直しを要請していく。
2)日本生協連として放射性物質にかかわる自主検査は、行政の実施しているモニタリングを踏まえて行う。
3)放射性物質による食品汚染に関して、なるべくわかりやすい情報提供に努める。
4)日本生協連は、暫定規制値にもとづいて出荷された商品の取り扱いを継続する。あわせて、消費者が選択できるよう情報提供していく。
1)については、「放射性物質による被ばくはできるだけ低くすべき」だが、「原発事故が起きてしまった現状では平常時とは異なった対策が必要」だとし、「政府の設定した暫定規制値は、食品安全委員会が『かなり安全側に立ったもの』と判断しており、日本生協連も現状では問題はない」と考え、「独自基準の設定は行わない」。
しかし今後、「一定期間が経過した段階で、現行の管理内容が適切なのか」見直しが必要であり、その際には国際機関の考え方や環境からの被ばくを含めて検討するよう行政に求めていくとしている。
2)については、「日本生協連の検査は、検査数や検査頻度に限界があり、またデータの精度について第三者機関の認証を受けているわけではないので、公表に足るデータとはいえない」ので「行政のモニタリングの結果に基づく出荷規制などの行政対応が適切に行われていることを確認したり、取扱商品の管理状況を確認することなどに活用」する。
今後は「長期化する汚染への対応」が求められるので、検査の進め方やデータ活用について引き続き検討していくことにしている。
3)については、政府などからの開設情報やデータは専門的で「消費者にはきわめてわかりにくくなっている」ので、国に分かりやすい情報提供を求めていくことにしている。
4)については、「国の基準にそって出荷が行われている食品については、従来と同様に取り扱いを続けコープ商品の原材料として利用」していく。「被災地の生産地を守ることは重要と考えており、風評被害で関連する生産者や業界が影響を受けないよう配慮」していく。
「一方、放射性物質の食品汚染について、政府の出荷制限規制値以下であっても、通常時と比べて放射線量が高くなっているかもしれない農産品をなるべく避けたいと考える、消費者・組合員」もいるので、消費者・組合員それぞれが、「商品選択について判断できるよう、加工度の低い食品を中心に生産地等の情報提供」を行っていくとしている。