このレポートは、▽買い物困難者支援▽ボランティア活動支援▽生産者支援▽支援募金の４項目に分けて報告されている。

◆「買い物困難者支援」

○いわて生協
　釜石市の避難所に週２回炊き出し用食材を供給している。また、被災直後は緊急対応として県内11カ所で「移動販売」を実施したが、今後は、品揃えや衛生管理、コスト問題などから宅配サービスの利用を促している。
○みやぎ生協
　石巻市の避難所に週２回炊き出し用食材など1200点を超える商品を供給。南三陸町の６避難所に週４回の配達を実施している。
　同生協では石巻支部（宅配センター）周辺の仮設住宅300戸ほどに、同支部を「ステーション」として最大週５回商品を受取ることができる仕組みをつくった。また、その他のエリアでも仮設住宅入居者を対象に、入居者同士での班づくり、ステーション供給についてミニ展示会などを開催して案内している。
　また、店舗から受注を受けた商品を各家庭に届ける「ふれあい便」の実施地区を従来の仙台市内から買い物が不便な地域に拡大。名取西店、蛇田店、亘理店に新設した。
　仮設住宅入居者へ夕食宅配の仕組みを利用した夕食弁当・おかずの宅配サービスを開始。現在、気仙沼市5000食分の弁当宅配を毎日行っている。
　さらに震災後、生鮮食品や日用品の購入が不便になった離島に、トラックと汽船で、網地島30軒・田代島10軒・気仙沼大島170軒・桂島15軒に宅配サービスを実施している。
○その他生協
　被災県以外の生協でも、避難してきた人を対象に、宅配手数料の軽減、店舗利用の際の割引などの支援を行っている。
○炊き出し、移動販売の支援は、いわて生協、みやぎ生協、福島県３生協（ふくしま、あいづ、福島県南）の合計で炊き出しが84カ所、移動販売が111カ所。

◆「ボランティア活動支援」

○ボランティアセンター（ＢＣ）へのコーディネーター派遣
　日本生協連も加盟する「災害ボランティア活動支援プロジェクト会議」の要請を受け、被災地地域の災害ボランティアセンターにコーディネーター役を担う職員を派遣している。現時点では、７月中旬までの間に８名が１週間または２週間単位で延べ154日間活動する予定となっている。
　派遣状況は、
・陸前高田市災害ＢＣへ大阪いずみ市民生協、コープネット事業連合
・宮古市災害ＢＣへ、エフコープ、大阪いずみ市民生協、ちばコープ、コープネット事業連合
・大槌町災害ＢＣへコープネット事業連合
・宮城県ＢＣへみやぎ生協（県外生協からのボランティア調整窓口）となっている。
○仮設住宅への引越し応援
　岩手県災害ＢＣから岩手県生協連に要請があり、日本生協連が全国に呼びかけて職員・車両を派遣。５月28日に遠野市に日本生協連現地事務局を開設。ここを拠点に大槌町、釜石市、大船渡市、陸前高田市などの仮設住宅への引越し作業、救援物資やがれきの運搬作業をなどを行っている。職員・車両を派遣している生協は以下の通り。
　コープあいづ、東都生協、生活クラブ生協連、ちばコープ、新潟総合生協、コープにいがた、コープながの、東海コープ事業連、コープぎふ、コープみえ、富山県生協、コープとやま、大阪いずみ市民生協
○みやぎ、いわて両生協のＢＣの活動
・みやぎ生協では「ふれあい喫茶・青空カフェ」など避難所・店舗でくつろげる場所を提供。さらに、縁日など子どもと一緒に楽しめるイベントや音楽イベントを開催。おさがり市やバザーなど、ふだんの暮らしに近づくための支援も。
・いわて生協では、避難所で毎日の食事づくりをする女性たちを手助けするために、毎週火・木曜に盛岡市のボランティアが弁当をつくって夕食までに大槌町の避難所に届けている。
　また全国の生協組合員の協力で家庭に眠っている喪服を集め、葬儀に向かう被災地の人たちに提供している。
　さらに盛岡市から大槌町へ毎週ボランティアバスを出し、災害ＢＣと連携して被災者の個人宅の泥出し・掃除、河川敷の掃除・がれき撤去などを行っている。

（写真）
上：さまざまな市民が参加するボランティア（大槌町）
下：被災した店頭での青空カフェ（石巻市）

◆生産者支援

○応援メッセージ
　ユーコープ事業連、コープとやま、京都生協、コープこうべ、生協ひろしま、こうち生協、コープ熊本学校生協など多数の生協が、被災地産直生産者に向けた応援メッセージを送付している。
○生協と生産者による支援
・京都生協は長年の産直産地である鳥取県畜産農協や大山乳業とともに、南三陸町で炊き出しや土のうづくり作業を行うなど支援活動を実施した。

◆支援募金

　日本生協連口座への募金累計約18億6000万円を含めた全国生協の募金累計は約28億円（６月20日現在）