政府の復興構想会議は、水産業について「特区」手法の活用によって、民間資本が漁協に劣後しないで漁業権を取得できる仕組みを実現すべきとの内容を提言に盛り込んだ。 これに対し決議では、わが国の沿岸漁場では、漁協がきめ細かな漁業権行使規則を制定して厳しい管理を行い、資源と漁場の持続的利用を可能にし漁業操業上のトラブルも回避してきたと強調し、特区によって法人が漁業権免許を直接取得することになれば、2つの管理主体が存在することになり「操業上の紛争は必至であり浜に大きな混乱を招く」と指摘。
そのうえで、復興に向け漁業者が一体となって取り組んでいかなければならない今、「特区構想が漁業者の絆を分断し長年にわたって浜の秩序を崩壊させることにつながるものであればJFグループはその導入を断じて容認することができない」、「地域の意向をふまえない強引な企業の参入には反対する」と決議した。
集会後にはJF全漁連の服部郁弘会長らが筒井信隆副大臣を訪ねて決議を手渡した。筒井副大臣は「改革が絆を壊すような形ではかえってマイナス」と述べた。
(写真・右から)
阿部力太郎・JFみやぎ理事長、大井誠治・JF岩手漁連会長、木村稔・JFみやぎ経営管理委員会会長、服部郁弘・JF全漁連会長、筒井信隆副大臣、佐々木新一郎・JF京都漁連会長