農政・農協ニュース

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牛肉のモニタリング検査を強化 福島県と農水省

 牛肉から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されたことから福島県と農林水産省は7月11日、牛肉のモニタリング検査を強化するなどの対策実施を発表した。

 7月8日、福島県南相馬市(緊急時避難準備区域内)の肥育農家から東京食肉市場に搬入された肉牛から暫定規制値(500bq/kg)を超える放射性セシウムが検出された(2300bq/kg)。9日には同じ肥育農家から出荷された残り10頭からも15303200bq/kgが検出された。これらの牛肉は市場には一切流通していないことが確認されている。また、福島県は8日、南相馬市に対し食用の牛の移動・出荷の自粛を要請した。
 この事態を受けて10日、国と福島県が現地調査を実施したところ、4月初旬に水田にあった稲わらを収集し給与していたことを確認した。検査の結果、稲わらからは7万5000bq/kgの極めて高い放射性セシウムが検出された。
 当該の肥育農家は原発事故後、すでに6頭を出荷していることから、福島県はその個体識別番号を関係業界に周知して調査・自粛販売を依頼している。
 暫定規制値を超える牛肉と稲わらが確認されたことから、農水省は計画的避難区域と緊急時避難準備区域内にすべての飼養農家を対象に、牛肉のモニタリング検査を実施。暫定規制値を下回った農家に限って食肉用の牛の出荷を認めることにした。モニタリング検査は福島県とその周辺県で牧草の給与を自粛した地域などでも実施する。
 また、飼養管理状況を徹底的に点検し、その結果に基づいて適正な飼養管理を指導していく。

(2011.07.12)