――「基本方策」への取り組み2年目ということで、「見直し」に重点を置いた年になると思いますが、特に見直していきたいと考える課題は何ですか。
JA運営への女性参画の取り組みです。私たち女性ももっと参画して、JAをさらに身近な存在にしていきたいと思います。現状は、目標よりも大きく数値が低いので、今までどのような働きかけをしてきたのか振り返り、必要な対策を具体化することで数値を高めていきたいです。
女性の参画は「正組合員の25%以上、総代の10%以上、理事等2名以上」を数値目標に掲げていますが、実現のため具体的にどのような働きかけをする必要があるのか、その方策を考えながら進めていくことが不可欠だと思っています。トップダウンが必要な場面もあると考えていますので、全中、各JA、県中央会にも働きかけていかなければと思います。
高齢化が進む中でも農業を預かっているのは女性が多いです。女性の声をJAに反映させていくためには正組合員になっていくことが大事ですので、まずは正組合員の比率を25%、総代を10%にもっていきたいです。また、JAにおける女性役員の就任は昨年段階でようやく半数を超えたところです。総代会で承認され、女性役員が誕生するという流れに各JAがどう取り組んでいるのか聞いていきたいと思います。
――「見える活動」「見える組織」を実践するため、具体的にどう取り組んでいきたいと考えますか。
女性部では食農教育や地産地消活動にはじまり、助けあい活動、さらには手芸作品や特産加工品を作るなどさまざまな活動に関わっていますので、そういう活動が見えるように新聞や地域のケーブルテレビなどメディアを使った積極的な情報発信が必要だと思います。私たちが取り組んでいる活動や運動を発信していくことで、女性部のメンバー同士がお互いの良さを共有しあい、地域の方にも活動を理解してもらえることが理想です。
今まで女性部の活動はともすればJAの活動と十分連携がとれていないこともありましたが、JAの中のひとつの組織ですので、お互い認め合うことが大切で、それが活発なJA運営にもつながっていくと思います。
私はもともとJAの職員として女性部活動の改革にも携わってきたので、強くそう感じています。
57歳のとき、JA岡山西の改革実践推進室で合併後のJAを改革する室に配属されました。「男女共同参画の集いin岡山西」を開催したことがきっかけで、JAの役職員と女性部の横軸の関係をちゃんと築くことができました。最初は十分な支援を受けられなかった女性部活動も、今では役職員が一緒に参加する体制ができています。習慣づけばなんということはありません。
JA役職員に女性部活動を理解してもらうには、活動の輪に入り、実際に見て納得してもらう必要があると思います。女性部活動に役職員や地域の人たちが参加することによって女性部、JA、地域の3者がともに発展、活性化していけると思います。そのためには、まず組織の中をいかに改革していくかです。お互いに助け合う、そのためのきっかけづくりは女性部がしっかり役職員に声をかけ、発信していくことが大事だと思います。
女性部員の減少に歯止めをかけるためにも女性部の活動を地域の人にわかってもらい「私も女性部に入りたい」といってもらえるような活動にしていきたいと思います。
――今年は女性協60周年という節目ですが抱負はありますか。
JA女性組織綱領を模範にして、共に支えあい、共に栄えていけるような活動を進めていきたいです。先輩たちが築いてきたものを大事にし、より良い活動ができるようにするのが、私たちの役目だと思います。60年という歴史を振り返りながらこれからの時代にあった女性部活動にしていきたいと思います。