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記憶力抜群のマウスを開発 認知症治療などへの応用に期待  東京農大

 特定の遺伝子操作により記憶力の著しく向上した「スマート(賢い)マウス」をつくることに東京農業大学バイオサイエンス学科の喜田聡教授らが成功したと、同大学の月刊情報誌「新・実学ジャーナル」7・8月合併号が報じた。

 認知症など記憶障害を示す疾患の治療薬開発に応用されることが期待される。
 同教授らはすでに転写因子(CREB)の機能を阻害した遺伝子操作マウスが長期の記憶に障害を示すことから、転写因子が記憶形成に必須であることを明らかにしていた。
 そして、新たに転写因子の機能を強化した遺伝子操作マウスを開発した。このマウスは2時間以内程度の短期の記憶も向上した。
 これらの結果から、転写因子の活性が高まると神経栄養因子BDNF遺伝子の発現量も増大させ、さらに高い記憶能力を産み出すことが明らかになった。
 今後はCREBーBDNF情報伝達経路を標的にした薬を開発することで認知症などの治療に貢献するものと思われる。
 この成果は6月15日、米国の科学雑誌『The Journal of Neuroscience』に発表された。

(2011.07.26)