基本計画はおおよそ5年に1度見直される。18年9月に決まった前基本計画では、森林の多面的機能を発揮するために育成複層林(さまざまな樹齢の木が併存する林)への誘導を進めるなど長期的視点にたった森林づくりと国産木材の利用拡大などを基本的考え方としていた。
今基本計画でもその考え方を踏襲しつつ、地球温暖化対策や木質バイオマスの利用拡大など環境に配慮した取り組みを推進することを盛り込んだ。東日本大震災からの復興についても、森林資源を活かした環境負荷の少ない街づくりを推進することなどを決めた。
◆10年で倍の3900万平方mに 国産木材供給量
国産材の供給量は1830万平方mで木材自給率は28.2%(21年実績)と、2割以下だった5年前に比べて上がった。新計画では、10年後の32年には21年比でおよそ倍となる供給量3900万平方m、自給率50%をめざす。
また、22年現在で100万haほどの複層林を20年後の42年には倍の200万haにすることを目標に掲げた。
これらを実現するために、政府は(1)生物多様性の保全や山村振興なども含む森林の有する多面的機能の発揮(2)経営の効率化や人材育成などで林業の持続的な発展を促進(3)林産物の供給・利用の確保(4)国有林野の管理・経営の推進、の4点の施策を講じるべきだとした。