「要請書」の主な内容は次の通り。
1) 放射能のモニタリングの範囲と体制を抜本的に強化すること。
牛肉やお茶の放射能汚染問題など、食品の放射能汚染の発覚は消費者や生産者に大きな不安をもたらしている。食品はもとより、加工食品を含めた原材料、飼料原料、農業資材、土壌などについて、モニタリングの範囲を拡大して、新たな放射能汚染食品の流通を防止することが必要。また、近海の水産物の放射能汚染は、小魚から中型魚などに広がっているので、出漁前のモニタリング調査と、水揚げ後の水産物検査を大幅に強化して、その結果を知らせ、水産物の信頼を確保することが必要。放射性ストロンチウムなどセシウム以外の放射能についても汚染状況の早急な把握を要請する。
2) 暫定規制値の見直し
「事故の収束の段階に応じて、放射線の被曝は可能な限り低くしなければならない」という放射線防護の「最適化原則」に従って、暫定規制値の見直しを求める。特に、主食である米や、摂取量の多い飲料水、乳幼児の摂取量の多い牛乳・乳製品についての引き下げを検討すべきであると考える。
3) 汚染地域の除染対策など、早急に放射能低減対策を講じること
福島県など一定以上の外部被曝が予想される地域では、妊婦、乳児、幼児などを含む住民の被曝低減のため、生活環境の除染対策、正しい情報の提供による被曝低減の注意喚起、健康維持のための手厚いサポートなどの対策を直ちに進めることを要請する。また、各地の農林畜産水産業への影響は甚大であり、生産者の安全確保と土壌の放射能低減対策、食品の放射能低減対策を政府自ら進めるとともに、生産者の取り組みに最大限の技術的・経済的支援を要請する。
4) 生産者への賠償を早急に行なうことを求める
放射能汚染を受けた産地、周辺の産地では、農畜産物が出荷できなくなり、あるいは価格が低落して、生産者は大きな経済的損害を被っています。東京電力が誠実かつ迅速に賠償に応ずるよう指導するとともに、政府が賠償金を立て替える等の緊急措置を取る。放射能汚染の影響を低減するための除染対策、作物の吸収抑制対策などの費用についても、東京電力または政府が負担するよう要請する。
要請書を提出したのは、東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・山梨・群馬・福島・静岡の9地域のパルシステム加入生協とパルシステム生協連合会と同共済生協連の2連合会。