被災地の市町村などが復興方針を早急に明確化できるようにと、各被災地に共通する考え方を国が示して「都市的な土地利用を伴う復興活動の円滑化」を図ろうというものだ。
復興まちづくり計画策定の前段階から土地利用調整を円滑に進めていくことが重要課題になっているとし、このガイドラインを計画策定に当たっての「技術的助言」でもあるとした。
ガイドラインはまず市町村が復興方針を定める場合「先行的に開発を誘導し、促進するエリアを設定することが望ましい」とし、また「農林漁業との調和、自然環境や風土・景観などの観点も勘案し、なるべく集約的に設定することが望ましい」ともした。
さらに、そのエリアが農地や森林を含む場合には「農地の復旧・復興のマスタープランにおける整備方針や保安林が有する機能などに配慮する」ことを望んだ。
被災農地の復旧方針については「農業基盤復旧整序化検討調査」を実施して地区ごとのマスタープラン策定や営農再開などを支援する。同「調査」費は今年度第1次補正予算に盛られている。
誘導促進エリアが従来からの土地利用計画に適合しない場合、変更が確実と見込まれる際は、変更前でも現行制度の枠組みを前提としつつ可能な限り弾力的にこれを運用することとした。
農水、国交両省は農地を含めた総合的で一体的な土地利用の再編を迅速に行うための新たな法的枠組みを検討中だ。その中で誘導促進エリアの取り扱いが新たな法的枠組みに円滑に移行できるよう配慮しているという。
現在、検討中の枠組みとしては、個別法に基づく開発許可を不要にする特別措置の設定などがある。
開発行為に対しては農業振興地域整備法や農地法などの個別法によって所管大臣の開発許可が必要だが、土地利用調整手続きの一元化のための特別措置によってこれを不要にしようというものだ。
事業計画の策定が必要な事業についても、これを不要にする特別措置を検討中だ。