経常収益はJA貯金の増加で運用収益が増えたことから3391億円と前年同期比で612億円増加した。一方、経常費用は資金調達費用や有価証券償却、引当コストともに前年同期並みの2222億円となった。
この結果、経常利益は前年同期より546億円増えて1169億円を確保した(88%増)。また、四半期純利益は238億円増の891億円となった。
総資産は政府向けの貸し出しと現金預け金の増加で3月末より1兆7580億円増えて71兆3100億円となった。純資産は同1960億円増えて4兆4464億円となった。純利益の積み上げのほか、有価証券の評価差額が改善したことによる。3月末の評価差額は▲3429億円だったが、国内外の金利低下を受けて2074億円改善、▲1355億円となった。
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農林中央金庫は世界的な金融危機後の平成21年度から4年計画の「経営安定化計画」を策定。「安定的な財務運営とリスク管理手法の高度化」と「協同組織中央機関としての一層の機能発揮」に取り組んできたが、22年度決算で配当を実現するなど財務の安定が図られたことから、2年前倒しして同計画に区切りをつけ今年度からは2年間の新中期経営計画に取り組んでいる。 同計画では重点事項に東日本大震災への復興支援にも取り組む「復興支援プログラム」を打ち出している。農林中央金庫では今回の第1四半期決算結果について「新中期経営計画の順調なスタートが切れた」としている。