向こう1カ月の予察情報で、留意点としては、東日本大震災の影響などで雑草の繁茂などによる病害虫の発生が考えられるとし、その周辺で作付けが行われる地域では発生状況に注意を―などの呼びかけがある。
【水稲】穂いもちは東海、近畿、四国及び九州の一部地域で発生が「やや多い」と予想される。
フタオビコヤガの発生は南関東の一部で「多い」、東北の一部で「多い」または「やや多い」、北陸、東海、中国、および四国の一部で「やや多い」との予想。
ニカメイガは北陸及び近畿の一部で「多い」、東海の一部で「やや多い」との予想。この害虫は局所的に多発する場合がある。
セジロウンカの発生は南関東の一部で「やや多い」との予想。昨年はこの害虫が媒介するウイルス病である「イネ南方黒すじ萎縮病」(仮称)の発生が日本で初めて確認された。今年もこのウイルスを保毒しているセジロウンカの飛来が確認されている。
このため防除については吸汁・産卵による被害だけでなく、ウイルス病媒介についても要注意。
トビイロウンカは近畿の一部で「やや多い」との予想。この害虫は水田に侵入後、急激に密度を上昇させ、被害を起こす。
斑点米カメムシ類の発生は関東及び北陸の一部で「多い」、東北、東海及び中国の一部で「多い」または「やや多い」、甲信、近畿、四国及び九州の一部で「やや多い」と予想。
【大豆】ハスモンヨトウは北陸、近畿、及び北九州の一部で「やや多い」との予想だ。この害虫による加害の特徴である白変葉を早く見つける努力を。
【野菜・花】施設栽培の場合、ウイルス病を媒介するアザミウマ類、コナジラミ類などの施設内への侵入や野外への飛び出しを防ぐため施設の開口部に防虫ネットなどを設けること。
栽培終了後は蒸し込み処理などを行い、作物残渣での生存虫を死滅させてから搬出し、確実な処分を。
【果樹・茶】果樹カメムシ類の発生は北東北、中国および南九州の一部で「やや多い」との予想。この害虫は園地周辺の山林から飛んで来るので、例年、カメムシ類の被害が多い園地や、山林に隣接した園地では、園内の観察をきめ細かく行うこと。
なお次回(第7号)の発表予定は9月8日。