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「一時金払い制度」を4割が選択  農林年金決算

 農林年金(農林漁業団体職員共済組合)はこのほど平成22年度決算を公表した。決算内容は6月の理事会で議決され農水省へ申請をしていたが、8月2日に承認されたことから発表したもの。

 農林年金の経理は、特例年金(職域年金、3階部分)の支払いを管理する給付経理と、人件費など事務費を管理する業務経理に分かれる。
 農林年金は22年度から、公的年金では初めてとなる将来の年金を先取りし一括して支払う「一時金払い制度」をスタートさせた。
 このため特例年金の給付金は前年度より371億2200万円多い846億8200万円となった。このうち一時金としての給付額は382億1800万円だった。
 一時金払い制度の対象者は平成14年4月の厚生年金との統合後に受給権が生じた人(昭和17年4月2日生まれ以降)。一時金を選択するかどうかは、昨年4月時点ですでに年金を受給している人については今年3月までに選択することとした。また、今後、受給権を得る人は受給権が生じた日から1年以内に選択する。給付額は平均余命などをもとに算出する。
 農林年金によると22年度実績では約4割が一時金払いを選択したという。
 給付のための収入は、農林漁業団体が負担する特例業務負担金収入(298億3400万円)、積立金の運用収入(47億6000万円)、国庫補助金収入(12億5200万円)で、不足分500億500万円を積立金から充当した。これにより22年度末の積立金は2942億800万円となった。
 積立金の運用利回りは計画を0.148ポイント下回る1.52%となった。一時金払い制度による支払いに対応するため、十分な流動性を確保するため短期資金の比重を高めたことが要因。
 業務経理では事務費総額は20億5880万円となった。事務費は厚生年金の事務受託料収入4億8993万円、国庫補助金3億105万円、給付経理からの繰入金12億2601万円で賄った。事務費は前年度より約1億6000万円の減となった。

(2011.08.16)