農政・農協ニュース

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5000ベクレル以上は避難区域以外で9地点 農地土壌の放射性物質汚染

 農林水産省は8月29日に農地土壌の放射性物質(放射性セシウム)濃度分布図を公表した。

 調査の目的は農地の除染など、今後の営農に向けた取り組みを進めるため。調査地点は福島県では約360地点。宮城、群馬、茨城、千葉の各県は計約220地点。
 水田の場合は地表面から約15cm、畑の場合は最大約30cmの土壌を採取した。
 土壌の採取は今年3月末から8月はじめまでとばらつきがあることから基準日を設定して(6月14日)実測値を補正し、分布図に表示した。
 また、今回の調査では農地土壌の放射性セシウムと農地から1m上の空間線量率に相関関係が認められたことから、調査地点以外の農地土壌について空間線量率からの推計値を参考情報として示している。
 調査地点全体のうち、最高値は約2万8000ベクレル(bq/kg)で福島県内の避難区域の農地から検出された。稲の作付制限措置は5000bq/kg以上とされているが、作付制限が行われている農地以外から5000bq/kg以上の汚染が検出された地点は9地点あった。ただし、いずれも水田ではなく畑だった。
 農林水産省によると5000bq/kg以上が検出された農地は約8300haだという。ただし、この値で稲が作付制限されたのは、玄米への移行係数が0.1とされたことによる。食品衛生法の観点から穀類や野菜、肉などの放射性セシウムの暫定規制値は500bq/kgとされており、稲は玄米への移行係数が0.1とされたことから、農地土壌が5000bq/kg以上だと玄米の暫定規制値を超えるおそれがあったため。 農水省の資料によると移行係数はホウレンソウ0.0005、キャベツ0.0078、ハクサイ0.0027などとなっており、稲よりも15倍200倍小さい。

(2011.09.07)