この論文集は、第1章農業・農協・共済、第2章高齢社会・生活福祉、第3章経済・金融、第4章医療・賠償の4つの章で構成されている。
第1章では、「地域の潜在力をつかむ―『地域の今 再確認シート』による気づきの試論―」(調査研究部 渡辺靖仁)、「関与・知識水準による保障見直し行動の類型化」(同 大沼八重子)、「知識創造をテコに組織を変革する」(同 湊一郎)。
第2章では、「農山村地域の『いのち』と『くらし』を支える『新しい公共』のデザイン」(同 川井真)、「農業における障がい者就労の可能性―福祉と農業の新たな連携の視点―」(同 濱田健司)。
第3章では、「国内産業は空洞化に向かうのか? ―海外直接投資が輸出に及ぼす影響―」(同 古金義洋)、「欧州財政危機は事前予測可能であったか?」(同 木下茂)。
そして第4章では、「いわゆる“むちうち損傷”患者の実態:患者調査結果から」(医療研修部 香川栄一郎、理事・医療研究センター長 加藤龍一、参与 古谷誠)。
執筆された研究員の方々が日ごろの研究分野から触発されたテーマで多岐にわたる論文が掲載されている。
これらの論文は「東日本大震災前から研究員が研鑽し温めてきた研究テーマ」で、「被災された人びとに思いを馳せると違和感のある点もあるかもしれない」が、「創立20年という一つの区切りとして刊行」(今尾理事長「刊行にあたって」)されたもので、それぞれ力作揃いだといえる。
こららの論文のほかに、同研究所のあゆみや年表も掲載されている。
なお、この論文集の印刷部数には限りがあるが、内容は一部を除き9月末より同研究所ウェブサイトからダウンロードできるので、関心のある方はそちらにアクセスして欲しいと同研究所では希望している。