スズキ氏はデンマークの高い社会福祉制度とあわせて、1970年代のオイルショックの教訓から再生可能エネルギー資源の活用を進めてきた同国のエネルギー政策を紹介。北海油田を開発して国外からの石油依存を減らし、風力発電や家畜の糞尿を利用したバイオガスプラントの導入に力を入れるなど、国内資源でエネルギーをまかなえる仕組みづくりに力を入れてきた。また、廃棄物の燃料化にも重点的に取り組み、再利用率は69%と高い。各市町村には地域暖房会社があり、各家庭から出るゴミなどを利用して地域全体にお湯を供給している。
こういった取り組みの背景には、飲料水のほぼ100%を地下水に頼っていることから、次世代の飲み水を汚さないようにという環境保全政策もある。
今やデンマークはエネルギー自給率100%を超え、エネルギー技術の輸出国となっている。それが風力発電メーカーの育成や発電燃料の節約など、国の経済に貢献し豊かな国家を築いているとして、世界で一番幸せな国民といわれるデンマークのエネルギー政策は「世界のひとつのモデル」になると述べた。