これまでの青果物流通は市場出荷が中心だったが、最近は農産物直売所、卸売り市場を経由しない量販店での直販、ネット販売など流通経路は多様化しており、こうした新たな取引に対応する包装資材などを活用し、販売力強化に結びつけようとJA全農は22年度から「総合包装提案活動」に取り組んできた。
その一環として作成したのが「農産物直売所向けカタログ」だ。
農産物直売所は全国に約1万7000あり、このうちJA直売所は2000程度だが、JA青年部や女性部が運営する店舗も含めればさらに増える。
この直売所で必要とされる資材は地域性や店舗の特性によってさまざまなため、品揃えを充実させるとともに、カタログを2部構成とした。
「包装・店舗資材カタログ」は▽農産物を詰めるポリ袋や米用紙袋、▽フルーツパックやフードパック、▽化粧箱や段ボールなどの包装資材のほか、▽店頭ポップやポスター、のぼりなどの販促ツールや▽売り場平台やレジ台、▽カートや台車などの店舗用品までそろえている。直売所運営に必要なものがこのカタログで一覧できるのが特徴だ。
「青果物シールカタログ」は野菜、果実の品目別シールはもちろん、品種シール、県産シール、正月やクリスマス、ハロウィンといった祭事用売り出しの際に活用できるシールなどもそろえている。
◆日本初の「オフ段」も推進
また、販売する商品のなかで注目されるのが、日本初の「オフ段」。これは難しかった段ボール原紙でのオフセット印刷を実現したもの。通常の化粧箱は光沢のある紙に印刷したものを段ボールに貼り合わせているが、オフ段は段ボール原紙のためコスト低減になる。仕上がりはオフセット印刷のため微細な文字も鮮明でカラー印刷の色合いも落ち着いた印象になる。
そのほか植物由来樹脂(PLA)を使用したパックも推進、環境配慮型資材も提案している。
カタログでは魅力ある売り場づくりの提案や、農産物直売所向けのPOSシステム「豊年万作くん」も紹介している。生産資材部ではこの2冊のカタログを直売所に備え、売り場づくりや販売力強化に役立ててほしいとしている。