全国の共済事務インストラクター同士の交流を通じて、課題解決やサービスの向上をめざす全国交流集会は今年で3回目。
JA共済連の山本雅士常務理事は開会のあいさつで、東日本大震災の対応として「被災者の補償継続と、未補償、低補償だったものはなぜそうなったのかの点検が必要だ」と述べた。また、さらなる地域密着型の共済事業の推進については「LAとインストラクターが手を組むことで実現する」として、この集会でインストラクター同士がしっかり仲間づくりをしてほしいと呼びかけた。
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山本雅士常務
◆経験年数で対応を変える
今年のテーマは「『お客様に満足される共済事務処理を目指して』―支所担当者に対する指導において工夫していること―」。
パネルディスカッションでは、金田鶴江さん(JA北越後)、大岩みゆきさん(JAあいち知多)、小野勉さん(JAいずも)の3人がパネラーとして登壇した。
支店数が64と多いJAあいち知多では、指導の専門部署を設置して対応している。大岩さんは「トラブルを未然に防ぐ対応が必要。1日3支店の事務指導巡回を行い、些細なことでもなんでも聞いてほしいと呼びかけている」という。
同じく専任インストラクターの小野さんは、「担当者の経験年数で、電話対応で済ますか、直接支店に出向くか、対応を変えている」という。また、将来の島根県1JA構想に向け、広域合併してもサービスを維持するために「担当者全体のレベルアップをめざしている」と今後の抱負を述べた。
一方、兼任のインストラクターである金田さんのJA北越後では、支店経験のある5人でインストラクターのチームをつくり、「ローテーションを組んで、誰が支店に出向いてもいいような体制を整えている」という。また、効率的に支所を回るために、事前に支店のどこを見るか、ポイントを明らかにすることが大事だとした。
このほか、2日間にわたる分科会や、組織開発コンサルタントの宮崎聡子さんによる講演「クレーム対応のコツと技術」などを行った。
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パネルディスカッションの様子(左から)司会の大内久幸さん、長谷川伸也さん(ともに三菱総研)、金田さん、大岩さん、小野さん