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TPP対応、民主内で8日中に素案まとめ

 TPP(環太平洋連携協定)への民主党内の意見集約をめざす経済連携PT(プロジェクトチーム)は、11月7日午後も国会内で総会を開き議員間議論を行った。その後の役員会で8日に再び役員会を開いて集中的に討議、同日中にTPP対応方針についての役員会案をとりまとめる方針を決めた。

 民主党の経済連携PTの総会は7日が第22回。鉢路吉雄座長(前経産相)は「なんとか9日をめざして意見集約をしていきたい」とあいさつした。
 ただし、これまでの議論では、かりに日本がTPPに参加した場合のメリットとデメリットの議論以前に、「なぜ今、TPPなのか?」、「なぜAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会合までに方針を決めなければならないのか?」といったいわゆる「そもそも論」が噴出している。
 この日も以下の論点を提示して議論をした。

【経済連携全体とTPP】
▽TPPと経済効果、▽TPPはブロック経済につながるのか、▽TPPはFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)につながるのか、▽わが国は経済連携をどのように進めていくのか、▽産業空洞化、わが国のアジアにおける地位低下をどう考えるか。
【なぜ、今なのか】
▽「ルールメーキング」に参加できるのか、▽米国との関係をどう考えるのか。
【守るべきものは何か】
▽地域社会、▽農林水産業、▽製造業、▽雇用、▽非関税分野など。

 このうち「ルールメーキング」については日本が参加表明をしたとしても米国議会が日本参加に事前同意をするために90日間を要するほか、その事前同意のために米政府と米議会が事前協議をする必要があることも外務省は明らかにしており、来年夏までに交渉合意をめざす現在のTPP協議で「ルールづくりに参加できるかどうか」も大きな問題になっている。
 経済連携PTのある役員は連日の議論について、このルールづくりに参加できるかどうかということへの疑問に加え、「いくら議論をしても一向にメリットがみえてこない」と語る。PTの役員は意見とりまとめは「両論併記はしない」との方針を示していることから、この役員は「8割から9割が慎重派か反対派。両論併記しないのなら、それをすっきり書けばいい」と語る。
 ただ、8日の役員会案の作成も、9日の総会に示すための協議となるため難航が予想されている。

(2011.11.08)