JA全農が発表した出荷量の見通しによると、全6品目が前年を上回り、タマネギを除く5品目は平年比も上回る見込み。出荷量が前年比で増えるため、価格は前年を下回り、おおよそ平年並みに落ち着く見込みだ。
協議会ではそのほか、各団体の野菜の消費拡大の取り組みの紹介と、食品安全委員会による放射性物質と食品の安全性についての発表があった。
消費拡大の一環で、青果物健康推進協会は6次産業化事業として乾燥野菜の製品化やそれと調理道具とのセット販売を計画していることを紹介。年内に九州で発表会などを行う予定だ。
放射性物質のリスクについては、「若い主婦をターゲットにした情報提供や安全性のPRを重点的に行ってはどうか」「発がんリスクは放射性物質によることより野菜摂取不足による方がはるかに高い、といった研究結果を使って野菜の消費拡大をアピールできないか」などの意見が出た。
次回の協議会は、春野菜がピークを迎える3月頃開催の予定。
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JA全農による11〜3月の作付面積、出荷量の品目別見通しは次の通り。
【キャベツ】
作付面積は神奈川、愛知で微増し、全体では前年比2%増の5613haだが、出荷量は20万3438tで同12%増と大きく前年・平年比を上回る。
【タマネギ】
作付面積は主産の北海道で3%減ったため微減の1万5081ha。出荷量は22万5957tで前年比12%増だが、過去5カ年平均は下回る。
【ダイコン】
作付面積はほぼ前年並みの3322ha、出荷量は20万6771tで前年比5%増。
【ニンジン】
作付面積は台風12、15号の影響で愛知県で前年比9%減の224haだったが、全体としては前年並みの2697ha。出荷量は千葉県が同43%増の4万7850tと大幅に上回り、全体としても同24%増の9万5802t。
【ハクサイ】
作付面積は愛知県東三河地区でキャベツ、ブロッコリーへの転作があったため前年比7%減の215haだったが、全体としては前年並みの2228ha。出荷量は主産の茨城が同24%増の3万3600tなど、高温・干ばつの影響で極端に不作だった前年から、同10%増の6万8322tと回復した。
【レタス】
作付面積はほぼ前年並みの4528ha、出荷量は10万5617tで前年比7%増。