調査は全国の主婦、既婚男性、単身男女を対象とし、7月22日から27日までの期間、インターネットで行った。有効回答は2019人。
野菜の摂食頻度について聞いたところ、「ほぼ毎日」食べるという人は全体で67.7%と昨年よりも2.6%増えた。しかし09年の調査からは4.2%落ち込んだ。属性別では主婦で「ほぼ毎日」食べる割合が76.1%と高いが、09年よりは落ち込んでいる。昨年のような野菜の高騰が今年は少なかったことが昨年より摂食率があがった理由だとJC総研は分析している。
一方、単身男性・女性はともに「ほぼ毎日」という人が昨年より減少した。特に単身男性は「ほぼ毎日」という人が33.9%でもっとも低くなっている。
◆「食べない」若者増加
年代別に見ると「ほぼ毎食」・「ほぼ毎日」という人は年代があがるにつれて高く、70代以上では8割近い結果となっている。
その一方で、20代以下と30代では「ほぼ毎食」という割合がそれぞれ15%、18.7%と低いのにあわせ、昨年よりそれぞれ6.5%、1.7%減った。また「週に1日未満/食べない」という人は20代以下で8.7%(昨年比3.4%増)、30代で11.2%(同4.8%増)と昨年より増えた。
こういった現状に「これから子育てする世代や子育て真っ最中の世代が野菜を食べないとその子どもも食べないという悪循環になる」(JC総研)と不安視している。
野菜を「もう少し(もっと)食べたい・食べる必要あり」と思う人にそうなるためのきっかけを聞いたところ「価格が安くなれば」という人が全体で半数ともっとも多いが、次に「手間をかけずにいっぱい食べられるレシピが分かれば」となっていることから、生産サイドが消費者への情報提供をしていくことで消費への変化が見込めることもうかがえる。
◆果物の摂食、年々減少
果物の摂食頻度はこの3年間減少して推移している。属性別にみると特に単身男性で「週に1日未満/食べない」という人が44.4%ともっとも高い。また単身女性は昨年「ほぼ毎日」食べるという人が31.7%でもっとも高かったが、今年は26.4%に減少。この要因としてデフレが金銭面での余裕に影響しているためとみている。
年代別では野菜と同様、年代が高くなるほど摂食率も高まっているが、20代以下では「週に1日未満/食べない」という人がほぼ半数で、果物の摂食率も若年層と単身男性で極めて低いことが明らかとなった。
◆国産品の価値やや減少
野菜と果物の購入時に重視することを聞いたところ、ともに「鮮度がよいこと」が昨年同様1位で、2位に「販売単価が安いこと」、3位に「旬のものであること」と続く。しかし野菜では昨年3位だった「国産品であること」が今年は5位に転落。果物も昨年から順位を一つ落として8位となった。一方で「生産者の氏名や生産した農場名がわかること」という項目のポイントが伸びたことから、原発事故による放射性物質の影響を不安とする消費者の心情がうかがえる。