農政・農協ニュース

農政・農協ニュース

一覧に戻る

脱原発で集会 5500人集まる―さようなら原発1000万人アクション

 エネルギー政策の転換と既存の原子力発電所の段階的廃止を求めて1000万人署名を集めている「さようなら原発1000万人アクション」実行委員会は12月10日、東京・日比谷野外音楽堂で集会を開いた。

◆市民運動が未来を担う

5500人が参加 集会には5500人が参加した。
 呼びかけ人のルポライター・鎌田慧氏は「今、原発は54基のうち8基しか稼働していない。電力供給には寄与していないということだ。故障し、いつも休む不安定な原発に依存し、なおかつ爆発と放射能の恐怖がある。あまりにも無関心すぎた。それが今私たちに問われている」と話し「1000万人署名を政府に突きつけ原発をやめさせよう」と呼びかけた。
鎌田慧氏 作家の大江健三郎氏は、原発事故からこの9カ月間に取り返しのつかないことが数々明らかになったにも関わらず、政府と国会は原発輸出のための関係国との原子力協定を可決したことを「原発に対する感覚が元に戻ってしまった。今や反省の声が聞こえ てこない」と批判、「こうした揺り戻しの風潮のなかで原発を廃絶しようと大江健三郎氏いう根本の決意に立った市民の運動が現在と未来のすべてを担っている」と話し、1000万人署名を集めれば「政治家も無視できない。政府に後戻りさせないよう法律づくりの議論も」などと訴えた。
生協パルシステム千葉・平野都代子理事長 実行委員団体でもある生協パルシステム千葉の平野都代子理事長も署名を呼びかけた。 平野理事長は生協はチェルノブイリ事故の後、食品汚染に関心を持つと同時に現地の子どもたちの支援活動なども行ってきたが「温暖化が進むなか原発はクリーンなエネルギーではないか、原発がないと経済が衰退するのではないかといった声もあって、どこか他人事だった。(事故が起きて)本当に痛恨の思い。現実に目を背けずにここから一歩を踏み出し、ノーといわなくてはいけない」と強調した。

◆福島県民が涙の訴え

大賀あやこさん 福島県民も壇上に上がった。大賀あやこさんは原発事故で大熊町から会津に避難。「福島では季節風によって放射能濃度が上昇している地域もある。農産物の汚染も深刻。真実が隠され人と人とが分断されていく。この不安がいつまで続くのか、疲れ果てて途方にくれてしまうこともある。1日も早く脱原発を願っている」と涙ながらに訴えた。集会後は東電本社前を通り銀座をパレード。大賀さんは先頭車両でマイクを握り「福島の空を返せ、子どもたちの避難を」と道行く人に思いを訴えていた。
脱原発訴え都内をパレード 実行委員会によると署名は現在200万人。来年3月11日は福島県郡山市で現地集会を開く。また、3月24日には東京で署名集約集会も予定している。同実行委員会の呼びかけ人には鎌田、大江両氏のほか、内橋克人氏、落合恵子氏、坂本龍一氏、澤地久枝氏、瀬戸内寂聴氏、辻井喬氏、鶴見俊輔氏が名を連ねている。HPはhttp://sayonara-nukes.org

(2011.12.13)