萬歳会長は昨年は東日本大震災や相次ぐ台風被害など自然の猛威を再認識させられた年だったと振り返り、そのなかで大震災と原発事故の被災地には「全国のJAグループの協同の力を結集し、義援金をはじめ温かい支援によって被災地では復興に向けた歩みが始まっている。JAグループの最優先課題として一日も早い被災地の復興と地域の再生に引き続き取り組んでいく」と述べた。
そのうえで今年の重要課題として3点をあげた。
1つはTPP交渉参加阻止の取り組み。萬歳会長は「野田総理が昨年11月に国民的議論もないままTPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る方針を表明したことは極めて遺憾。TPPはわが国のかたちを大きく変えてしまう極めて重大な問題。国論を二分するなか、なぜTPP反対なのか、JAグループ役職員一人ひとりが理論武装をし、隣人に理解を求める語り部となって活動する必要がある」と述べたほか、昨年10月末には世界人口が70億人を突破し、世界で飢餓人口の増加と食料安全保障の問題が懸念されていることを指摘。「国民の命をつなぐ食料は自国でまかなうことが主権国家の責務である。農は国の基であることを今一度、国民各層に対して愚直に訴えていこうではないか」と話した。
2点めは国際協同組合年への取り組み。会長は「スローガンは『協同組合がよりよい社会を築きます』。国内のさまざまな協同組合組織が一致団結をして協同組合の意義や社会的経済的役割について広く国民、政府、そして世界に対して発信をしていきたい」と述べた。
3点めはJA全国大会の年であること。
今年は第25回JA全国大会決議実践の最終年度であり「引き続きJAグループ役職員が一丸となって農業の復権、地域の再生、JA経営の変革を柱に新たな協同の創造に邁進していこう」と述べるとともに、秋の第26回JA全国大会に向けては4月を目途に組織協議案をまとめることになっており、会長は「さらなる発展に向けた本大会議案になるような活発な議論を」と呼びかけた。