「ありたい姿のJA」を組合員とともに追求
◆見守る大勢の大人たち
1月21日土曜日。高知県佐川町にあるJAコスモスの本所では「あぐりキッズスクール」第7期生の卒業式が行われていた。
中央には卒業を迎える子どもたち。後ろに「担任の先生」を務めたJAのスタッフが座る。それを取り囲むかたちで保護者、JA女性部、助け合い組織の「にこにこ会」、さらに、JAの“男性部”である「赤い褌隊」も席についた。佐川町長や県のJAグループ関係者も列席した。
1人ひとりへの卒業証書授与が終わると照明が落とされ、壇上に子どもたちが灯したロウソクの火が浮かび上がった。
「スクールでみんなが学んだのは命の大切さ。これはその命の火です」。スタッフは子どもたちにこう語りかけ、10か月間、月1回の学習を振り返った。 雨のなかでの田植え、サツマイモの植え付けと17メートルにもなった長い海苔巻きづくり、夏の日帰りキャンプでのカレーづくり、そして秋の稲刈りとサツマイモ、大根の収穫、そして収穫祭での農産物販売と調理実習などなど……、それぞれを友だちと協力しあい、また、大勢の大人に支えられて体験できたことが強調された。
そして大震災の被災地では、悲しみと寂しさを乗り越えようとがんばっている同世代の子どもが多くいることに触れ「震災で人と人とが力を合わせることが大切だと分かりました。みんなには少し難しいかもしれないけれど、これを『協同』といいます。農業協同組合はこの協同の力を大きくするためにあります」と諭すように語りかけ「いつの日か大人になった君たちと会えることを楽しみにしています」と結んだ。
同JAのあぐりキッズスクールは農業や食への理解ととともに、それを生み出す「ふるさと」の大切さを伝えることも大きな目的にしている。
(写真)クラスの旗を先頭に大人たちに見送られて卒業
(続きは 【特集】現地レポート・女性が創る地域力 JAコスモス(高知県) で)