同社は東京センター(埼玉県戸田市)、大和センター(神奈川県大和市)、大阪センター(大阪府高槻市)の3つの物流施設をもつ。老朽化した大和センターの機能強化をはかるために、全農営農・技術センターの跡地に全館で温度管理ができ包装加工機能を充実させ、物流効率化ができる「神奈川センター」を建設してきたが、この2月23日から大和センターの物流業務を移転し、神奈川センターとして業務を開始することにした。なお、営業・事務業務は2月13日に移転する。
神奈川センターの敷地面積は4万6200平方mで大和センターの1・61倍。温度帯別保管能力は低温倉庫が大和センターの約3倍。トラック着床台数は入庫(10t車)12台で大和センターの2倍、出庫(4t車)71台で同1.34倍となっている。
新センターの最大の特徴は、産地から量販店や生協までのコールドチェーン化体制を強化したことと、ジャガイモなどの土物類専用の加工室を設けるなど衛生管理を徹底したこと。
また、自動倉庫をサブシステムと位置づけ、広い平置き場を最大限に活用した物流管理システムの導入や荷受口が大和センターの2倍になることなどで、作業時間を短縮(平均35分の予定)し、迅速・確実な荷受・荷捌・配送の実現をめざしている。
また同センターは、全農営農・技術センターと道路を挟んで隣接しており、新規品種の商品化や食味・鮮度分析などの商品開発、残留農薬検査や食品分析、包材試験などの商品検査など営農・技術センターとの連携による商品力強化や提案力の強化についても期待されている。
全農青果センターの近岡吉郎取締役は、新センター開業後は「山梨県や静岡県への商圏拡大をめざす」とともに「農家の思いを売場へ、売場の情報を農家に伝える、懸け橋機能を果たし、日本農業や流通に貢献していきたい」と抱負を語る。