政府の説明資料は4カ国の交渉担当者の「発言振り」を記載したもの。
たとえば、新規交渉参加国には「包括的で質の高い協定への約束」が求められるかどうかについて、▽交渉参加の条件として9か国で同意しているわけではない、▽事前に除外を求めることなくすべてを交渉のテーブルに載せることが参加の条件、▽前提条件ではないが参加国で共有されている野心を共有することが求められる、▽具体的な判断基準はない、との回答だった。 ただ、一方で「関税撤廃の扱い」については、すべてを自由化交渉の対象としてテーブルに載せなければいけないことは「各国とも認識を共有していた」と一部で食い違う発言もそのまま記載し報告された。
そのうえで「センシティブ品目の扱いや除外」については、▽センシティブ品目の扱いは合意しておらず最終的には交渉次第、▽最終的には交渉分野全体のパッケージのバランスのなかで決まる、▽関税撤廃について特定品目を除外してもいいという合意はない、▽国内産業保護を目的とした除外を得ることは困難、▽現時点で除外を求めている国はないなどの回答だった。
◆PTの目的、役割は?
こうした報告について総会では「4カ国とはすでにFTAを結んでいる。たとえばベトナムは人の輸出をしたがっているが、これでは抽象的。何を調べてきたのか分からない」、「日本が何を勝ち取りにいくのか、見えてこない。守りたいものが守れるのか、これでは分からない」、「相手の主張を整理するだけなら議論の参考にならない」、「たとえば米は除外できるのか。交渉参加後に離脱は可能かを聞いてきたのか」など政府の協議姿勢や情報開示のあり方に批判が相次いだ。
総会ではこれらに対する具体的な回答はなされず、内閣府の国家戦略担当の大串博志政務官は次回以降、整理して回答すると述べた。 民主党の経済連携PTはこの日、今後週1回程度のペースで総会を開くことを確認した。ただ、TPP交渉参加判断の是非について、いずれかの時期に政府への提言をまとめるかどうかなどは不透明。再開されたPTの目的や役割ははっきりしていない。