◆米、包括的協定が目標
日本側の出席者は外務省の八木毅・経済局長、農水省の山下正行・大臣官房総括審議官(国際担当)、経産省の佐々木伸彦・通商政策局長ら。米国側はUSTR(米国通商代表部)のカトラー代表補、ワイゼル代表補(TPP首席交渉官)らが出席した。
日本側は、すべての品目を自由化交渉の対象とした場合に「どのような自由化が求められるのか、しっかり理解する必要があるので情報提供を」と要望したほか、規制や非関税措置についても、どのような措置が求められるのかしっかり情報収集する必要があることも伝えた。
これに関連し日本側はセンシティブ品目の扱いについて「関税撤廃からの除外があり得るのか」と質問、米国側は「TPPは包括的な協定をめざしている」と回答した。
ただし、米国側は米国政府が実施した意見募集で提出された業界、団体などの意見を評価・分析中であるとして、日本の交渉参加に求める自由化対象の分野などについては示さなかった。意見募集結果についての評価・分析にはまだしばらく時間がかかるとの説明もあった。
◆農業など4分野を例示
そのうえで意見募集で出されている要望として「農業」、「自動車」、「保険・急送便」、「分野横断的事項」の4分野を紹介した。分野横断的事項とは政府による規制改革、透明性の追求などを指すとみられる。
また、日本側は、国内で頻繁に懸念される問題として提起される事項について質問リストをつくり提出するので正確、詳細な情報を得たいと要請したところ、米国側からは「公的医療保険制度を廃止し私的な医療保険制度に移行する必要があるとの情報や、いわゆる単純労働者の移動受け入れが必要との情報も流れているが、米国がTPP交渉参加国にそのようなことを要求していることはない」との発言があったという。
双方は引き続き協議を行うことで一致。2月21、22日にワシントンで実務者レベルの協議を行うことを確認した。