JA全中の伊藤澄一常務は開会のあいさつで、TPP、震災、原発事故などを例に挙げ「日本は今、有事の中にある」とした上で、「自分のJA、地域、家族のため、そして農業の発展のため、JAのリーダーを引き受けてほしい」と、修了者たちの今後の活躍に期待を寄せた。
発表した26人の役職は企画課、営農センター、米穀課、金融・共済担当などさまざま。それぞれ自らの職務やJA全体の業務について、改革のアイディアを発表した。
大賞となるJA全中会長賞を受賞したのはJA会津みなみ(福島)金融共済部金融課の室井利幸さん。現在、JAの事業総利益は共済がトップだが、地域活性化とJAの存在意義を高めるために農産物の加工販売に力を入れるべきだとして、特産品の南郷トマトを使った野菜サプリメント事業の発足を提案した。室井さんは、「ずっと金融担当で営農販売は経験したことがない。ただ、組織のタテ割りで担当の部署だけを考えるのではなく、地域全体を考えて色々な事業を提案していきたいと思った。それが評価され嬉しい」と、受賞の喜びを語った。
JA人づくり運動推進委員会委員長賞には、管内に39ある限界集落を支えるため、ワンストップ型支所、移動販売車、乗合バス運行などを提案したJAあしきた(熊本)指導販売部農産畜産課の上野浩平さん、審査員特別賞には地域に選ばれるJAをめざすために農・食・環境をどう活かすかという「Mnskプラン」を提案したJAさつま日置(鹿児島)石谷支所支所長の本房徹郎さんが選ばれた。
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上:賞に輝いた(左から)本房さん、室井さん、上野さん
下:会場に入りきらないほどの人が全国から集まった