高齢化による担い手不足や遊休農地の増加が課題となるなか、農業に興味をもっている人が栽培技術を学ぶことで農業への理解を深め、就農への一歩につながればというのが開講の目的だ。
第1期生となったのは34人。JAの広報誌や地元紙などで受講生の募集を呼びかけたところ、1〜2日で当初の予定人数を上回る応募があり、断らざるを得ない人も出てしまうほどの人気だったという。受講生の年齢は20〜70代と幅広く、半数以上が女性だ。全くの農業初心者から、農家であっても普段は手伝いをする程度の奥さんや後継者などもいる。レベルの差は若干あるものの、初心者には効率的な農作業を身につけてもらうこと、家庭菜園レベルの人は直売所に出荷できるようになる足がかりとなってもらうこともねらいのひとつだ。
講座は12月まで1カ月に1回開き、組合員の畑の一部を実習ほ場として、水稲、野菜、花の栽培方法を学ぶ。また、受講生に苗を配り、講座で学んだ内容を自宅でも実践してもらうのがこの講座の特徴となっている。
講師を務める営農指導部の堀修美さんは「初めての企画だが、将来的には中級向けの講座や、管内の範囲が広いので数カ所でこういった企画ができるようになれば」と話し、講習終了後に農業を意欲的に始めたいという人や規模拡大を望む人がいれば遊休農地のあっせんも考えているという。
(写真)農業の基礎知識を学ぶ受講生