12月下旬からの大雪で果樹の樹体被害やビニールハウス倒壊などが発生している。今後も果樹の枝折れ、融雪水の停滞による湿害などと併せ、農作物の生育や農作業への影響が懸念される。
このため同省は15日、地方農政局などを通じて県などに現場での指導が図られるよう通知した。内容は作物別に及んでいる。
【水稲】融雪の促進と苗の確保が重要。地域の共同育苗施設のみでは供給に支障をきたすと予想される場合には、近隣の施設に応援を求められるように地域間で協力体制づくりを進めること。直播では播種時期の水温が低いと出芽・苗立ちが不安定になるため播種日を極力遅らせることを検討すること。
【麦類】促進剤を使って融雪を行い、麦のの起生の促進を図る。融雪後は適宜追肥すること。融雪水の停滞で湿害が発生しやすくなるため排水路の補修、春先の溝切りなどに努めること。
【野菜】育苗床の設置に当たっては日照や風向きなど環境条件を十分に考慮し、融雪の大幅な遅れが見込まれるところでは除雪して適期育苗に努める。
【果樹】融雪水の排水対策を行い、湿害防止に努める。気温上昇で樹幹周囲の雪がゆるんだ際には樹幹基部の空洞部への殺そ剤投入や周囲の雪を踏み固めるなどで野そ害防止を図る。枝折れなどの被害を受けた園地では病害虫の発生にも注意する。
【花き】必要に応じて促進剤を使い、融雪を図り、排水対策も併せて実施する。
【園芸施設】野菜について、外気温が低い時は施設内で結露水の落下が多く、病害発生に好適な環境となるため低温障害に注意しつつ十分な換気をする。
花きについては、積雪下の低日照条件で生育すると、適温でもCO2不足や、多湿の場合は軟弱になる傾向があるため、必要に応じて換気するとともに予防的に薬剤をまくこと。
【畜産】融雪水が畜舎や飼料庫に浸水しないよう除雪に努めること。飼料作物については、播種作業が早く開始できるよう融雪を促進すること。