農政・農協ニュース

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女性パワーを取り込むために JA女性常勤役員が意見交換会

 JA全中は現在検討中である第26回JA全国大会議案をふまえ今後JAの女性参画をより進めていくため、JA女性常勤役員による意見交換会を3月15日JAビルで開いた。

 意見交換には全国の女性常勤役員7人を中心に、JA全国女性協の瀬良静香会長、伊藤澄一全中常務理事、農水省経営局就農・女性課の松井瑞枝課長補佐らが参加し、▽JA組織に女性のパワーをどう取り込むか、▽JA女性組織を活性化するためにJAはなにをすべきか、といった課題について話し合った。
 世代交代の問題が深刻化するなかで、今後とくに高齢者、女性、子どもを意識した情報発信がJAのファンづくりに重要であるとして、女性パワーを活かした「JAくらしの活動」の重点化など、現在検討中の第26回JA全国大会議案にはこれまで以上に女性の力の活用が強調されている。


◆活躍できる「場」づくりを

 この課題についてJAおちいまばり(愛媛)常勤監事の芥川享子氏は、直売所「さいさいきて屋」が地域住民にJAをアピールする場となっていることを挙げた。
 施設内にある市民農園やオープンキッチンでの料理教室、「Saisai KIDS倶楽部」の開催を通して地域住民が集う場となり、今では行政などのイベントも開かれ「人が集まるところにイベントもやってくる。買い物をする場としてだけなく、地域住民が楽しい時間を過ごす場になっている」という。
 また22年度の出荷者売上ランキングの上位10位中8位は女性。5人以上が年間1000万円近くを売上げている。「なにか舞台を作ることで輝く素材は地域にいっぱいあると思う。舞台ができれば、その後持続して活躍できるのは女性。直売所はほぼ女性でもっている」。と、女性が活躍するための「場所」づくりの必要性を強調した。


◆「ハート&マネー」の活動へ

 JA京都やましろ(京都)副組合長の豊田勝代氏も直売所が隣接している支店とそうでない支店ではすべてのJA事業に格差が出ているとして、JAにとっての直売所の重要性を述べた。また、「これまで女性部活動は心を豊かにするための活動だったが、これからは『ハート&マネー』」だとして、お金がついてくる活動に転換していく必要があると考えを述べた。
 支店長経験のある瀬良会長は、支店長になって初めて取り組んだことは、離れていく組合員や地域住民を取り戻すために直売所を立ち上げることだったとして、出荷する場やふれあいの場を提供することでJAを利用してもらう相乗効果も表れたと自らの経験を語った。
 JA美馬(徳島)常勤監事の藤川延子氏は、女性部が行っているさまざまな活動がいままでJAに関心のなかった人が目を向けてもらうきっかけになっていると報告。
 JA大阪中河内(大阪)常勤監事の前田栄子氏はこれまでの女性部活動はそれぞれが興味のある活動をしてきたが、将来的にはヘルパー制度など訪問介護や一時預かり保育といった地域貢献に取り組んでいきたいとの考えを述べた。


◆女性の育成強化を

JA女性常勤役員が意見交換会 また今回の大会議案には、女性管理職の登用促進も明確に盛り込まれる方向で検討されていることから、女性職員のキャリアアップの課題についても意見が交わされた。
 JA大阪中河内の前田氏は「キャリアの持った女性を育てるのにはどうしても時間がかかる。女性と男性は能力の差ではなく経験の差。女性を育てていくことをもっと大事にしてほしい」と述べた。

(2012.03.19)