農政・農協ニュース

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地域資源活かし―JAが中心となって村づくり構想  JA上伊那

 「村に訪れる"交流人口"を増やし、村のファンを増やしたい」―。
 長野県の中川村でJAが中心となった村づくりがすすんでいる。

 主体となって取り組んでいるのはJA上伊那の中川支所。2010年9月に地域一体での活性化に取り組んでいこうと松澤文昭支所長が村長、地域企業など関係者による集会で「心のふるさと天のなかがわ村 地域まるごと農業公園構想」を発表したことにはじまる。懸念される人口減少の対策と合わせ、具体的な地域活性化への取り組みが必要であるとしたためだ。この構想は村に訪れる「交流人口」の増加を図り、村のファンをつくって地域を活性化しようというのが目的だ。今ある地域資源を掘り起こし、村の魅力をPRすることによって交流人口を増やしたいと考えている。
 これまでは旅行会社とタイアップした観光ツアーを企画してきた。昨年7月にはキノコの施設見学と収穫体験ツアーを実施し、10日間で440人が県外から訪れた。また、昨年12月にはシクラメンのハウス見学と買い付けツアーを実施し、これには2週間で延べ5400人が参加。5200人の村の人口を上回るほど好評だった。
昨年12月に行われたシクラメンツアーのようす JAとしては農業振興も兼ねた地域の活性化をねらう。交流人口が増えることでJAの直売所の来店客も増え、それが地域農業やJA事業への貢献につながればとしている。実際にツアー参加者が再度ツアーに参加したり、直売所のリピーターになったりとすでに効果は表れはじめている。
 また、これまで観光バスなど通ることのなかった村に観光ツアーが来ることで、村民自身も村の活性化を感じているという。
 今後も、これまで観光ツアーのメニューとして目を向けられていなかった地域資源を活用した企画を組合員の協力を得ながら計画していきたいとしている。松澤支所長は「いろいろな作物ができる地域であることを活かしながら、ツアー客の受け入れ体制を整えていき、徐々に交流人口を増やしていければ」と抱負を語り、将来的には人口増加につながることも期待している。


(写真)
昨年12月に行われたシクラメンツアーのようす

(2012.03.27)