同省は食品の安全性に関するリスク管理に不可欠なデータを得るため、有害な化学物質や微生物による農畜産物・食品の汚染実態を調べており、24年度はこの年次計画に基づいて調査を進める。
計画によると、サーベイランスでは、大豆と小麦についてカドミウム含有の実態を調べる。品種構成の変化、田での作付面積の拡大など栽培状況の変化を踏まえて、カドミウム汚染の状況を詳細に把握する計画だ。
カドミウムのほか玄米に含まれたヒ素や牛乳などのダイオキシン類など計18の有害物質について調査する。
一方、モニタリングでは配合飼料などのカドミウム、総水銀、鉛など5物質を対象にし、結果は残留基準値の見直しに活用する。
また、微生物サーベイランスでは牛、豚、鶏などが保有するカンピロバクター、サルモネラ、腸管出血性大腸菌の5種類の把握や侵入経路を解明する。
放射性物質については食品衛生法に基づく暫定規制値が設定され、これを超えたものを市場に流通させないように都道府県が検査している。これらは年次計画とは別の枠組みで行われている。
【サーベイランス】
監視、調査。問題の程度または実態を知るための調査。
【モニタリング】
日常的・継続的な点検。改善する必要があるかどうかを決めるため傾向を知るための調査。