農政・農協ニュース

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国産農畜産物の販売力強化など事業計画決定  JA全農臨時総代会

 JA全農は3月27日に第44回臨時総代会を開催し、平成24年度事業計画を決めた。

 24年度は、22年度からの「3か年計画」の総仕上げの年であるため、3か年計画の重点である「国産農畜産物の販売力強化」に最優先で取組み、▽新規市場への進出・開発、▽実需者への直接販売の拡大、▽買取など委託以外の多様な集荷方式の構築などに取組んでいく。
 また「購買品目のシェア拡大と生産コスト低減」を実践するために、▽海外山元との提携強化、▽新エネルギー事業などへの投資を実施するほか、▽省力資源の普及、▽生産性を高める新飼養管理方式の導入などを推進していく。
 経営面では、こうした事業拡大の取組みと合わせて「さらなる費用の削減」をすすめ、「経営基盤の充実・強化」の実現と経営成果の還元に努めていくことにしている。
 東日本大震災関係では「復興支援の統一窓口」となる専任部署・「震災復興課」を仙台市に設置し、効果的な支援対策を講じていくことにしている。

◆事業別重点課題

【米穀事業】
 組織結集による農家手取りの最大化をはかるため、播種前・収穫前契約の充実など玄米・精米の販売力の強化に取組むとともに、委託非共計・買取など地域実態に応じた多様な集荷対策を実践する。24年の主食用取扱数量目標は300万トン。

【園芸農産事業】
 消費者ニーズの多様化に対応し、重点卸売市場との契約取引の拡充、生協・量販店など実需者に対する直販の拡大。輸入品の使用が増加している加工・業務用需要に対して周年供給の実現に向け、営農部門と連携した専用産地づくりに取組み、契約取引を拡大する。

【営農販売企画】
 輸入生鮮野菜が使用されている加工・業務用をターゲットに国産野菜への切り替えに取組むとともに、農研機構・種苗メーカーと連携し、特長品種、新技術を活用した産地づくりを進める。TAC活動では、生産と販売のマッチングに取組みJAの事業拡大につなげる。

【生産資材事業】
 海外サプライヤーとの提携や農薬などの共同開発を拡充するほか、県域を越えた広域ブロックでの取組みを強化する。またJAのTAC部署と連携し、大規模経営を可能とする省力資材や生産費抑制に向けた提案を行い、担い手農家の需要の結集を目指すとともに、肥料・農薬・農機部品などの広域物流拠点の整備・供給エリアの拡大、CE総合コンサル、直売所などへの新たな資材提案に取組むことで、JAの事業運営を支援していく。

【畜産事業】
 景気低迷、原発事故による風評被害で牛肉を中心に消費減退、価格低迷が続いているなかで、安定的な販売と消費の拡大を実現するため「指定産地取引」の拡大、惣菜・加工品事業の強化に取組み、生産基盤の維持・拡充をはかる。飼料原料については、海外での集荷基盤の拡充、産地多元化をすすめ安定供給に努める。

【生活関連事業】
 800セルフSS体制の構築、「JAくらしの宅配便」の拡充などの新たな供給チャネルの定着をすすめる。一方で、SS過疎地における老朽化SSのコンパクトセルフへの改造、Aコープ店舗などを核とした買物支援サービスなど「新たな生活事業の展開」を促進する。新エネルギー分野では、一般家庭向けエネルギーベストミックス提案、工場などのエネルギーコスト削減のサポート、農業用施設などへの大型太陽光発電システムの普及に取組む。

【経営計画】
 経営計画としては、取扱高4兆7356億円でほぼ23年度計画と同様の設定となった。事業別には米穀事業が米価上昇と集荷力アップで23年度より10%アップ、生活関連事業が燃料価格の上昇による取扱増加で同2%アップ、営農・生産資材がほぼ23年並み、園芸農産同1%減、畜産同7%減となっている。
 収支計画では、事業利益が平成17年度事業計画以来7年振りに黒字計画(23年度計画から17億円改善)となっている。

(2012.03.28)