アグリフューチャージャパンはJAグループ中央機関や全国農業会議所、日本農業法人協会など農業界の団体のほか、食品企業など関連団体が200以上、正会員や賛助会員として集まって設立した。
中核となる事業が日本農業経営大学校で、会見では理事長の浦野光人・ニチレイ代表取締役会長が「志のある人にマネジメント力を培ってもらい新しい農業を切り拓く力を身につけてほしい」と同校の狙いを話したほか、副理事長に就任した埼玉県小川町で有機農業を実践してきた金子美登さんは「自らの経営だけでなく地域、集落全体の活性化に貢献できるリーダーが必要。そのために学校が必要」と語った。
開校日は平成25年4月。定員は20人で期間は2年間。東京都内に校舎・宿舎を準備中で全寮制とする。カリキュラムは経営、マーケティングなどの講義などのほか、現地実習が基本。実習は農業現場はもちろんだが、量販店や食品加工など消費の最前線を学ぶ内容も検討していくという。 農業経済・経営を専門とする学識者による講義・演習だけでなく、農業法人経営者、関連産業の専門家などにも特別講義を依頼する。 受験資格は高校卒業資格を持つ40歳以下。今年9月以降に募集を実施する予定。入学試験は一般入試と推薦入試を設け、それぞれ小論文による書類選考と面接を行う。学科試験は行わない。
小論文と面接では志望動機や学習目的、自らの農業経営の目標など「農業経営者としての志と将来ビジョンへの意欲」を審査したいという。
◆多様な学生が学ぶ場に
同校は自治体が設置。運営する農業者大学校などとは違い、いわゆる私塾として設立される。学費については国公立大学授業料並みとして2年間で100万円程度とする方向で検討をしている。そのほかに寮費もかかるが、学生が農水省が今年度予算で導入した新規就農支援交付金(年間150万円)を活用できるよう行政にも働きかけていくという。
学校長に就任する岸康彦・(財)日本農業研究所理事長は「非農家出身者や脱サラ、女性など多様な学生が集まって多様な講師に学ぶ場にしたい。次の時代を担う農業経営者の育成へのチャレンジ」と話す。
専任の教員を4名置き、全寮生活で学生を支援するほか、卒業後の就農・経営なども十分にフォローアップする大学校にする考えだ。
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学校名のロゴとシンボルマークを紹介する左から岸康彦校長、浦野光人理事長、金子美登副理事長