調査は5月1日から6日間、農業やその周辺産業に関わる仕事に興味がある12〜22歳の学生1000人に携帯電話などによるモバイルリサーチを実施した。
調査した学生が農業に興味を持ったきっかけは「実際の体験」が43.3%でもっとも多かった。2010年9月の前回調査から4ポイント増加した。前回1位だった「テレビ」は、6.8ポイント減り(41.9%)2位に。その他「学校の授業」(31.0%)、「親」(30.1%)と続く。
3位の「学校の授業」も前回より3.9ポイント増加しており、「食農教育」や「食育」の影響がより高まったことがうかがえる。
◆「都市農業」に高い関心
農業に関わる仕事への就職意向は「就職したい」「どちらかといえば就職したい」をあわせると25.9%となり、前回の26.1%から変化は見られなかった。
この質問に否定的な回答をした学生に対して、どのような環境や支援があれば就職を検討するかを聞いたところ「安定した収入の見込み」が56.0%となり、収入に関する回答が上位にあがった。
農業に関することで興味の度合いが高かったのは「都市農業」(63.7%)、「農業インターン(就農体験)」(62.1%)、「インターネット直販(販売者として)」(51.4%)。特に就農意向のある学生ほど全体的に興味・関心が強く、「都市農業」は8割超の結果となった。
◆半数が「TPP」不安
「日本が世界一優れている」と思うものは「食の安全(安全基準)」との回答が54.4%でもっとも多く、「味」も51.6%で半数を超えた。
一方、「日本農業の将来への不安」は「後継者不足」が67.5%でもっとも多く、次に「食料自給率の低下」(62.2%)、「原発事故による風評被害」(53.2%)、「放射性物質の影響」(47.2%)だった。また「TPPへの参加」も47.0%と約半数の学生が不安に感じていることがわかった。