第1回会合は22年10月に新潟で開催された。その際、採択された「新潟宣言」では、各国が食料増産に取り組むことなどに合意した。今回もこの新潟宣言に引き続き取り組むことを再確認した。
会合には21のAPEC(アジア太平洋経済協力)参加国の食料安保担当大臣が出席した。日本から鹿野農相(当時)が出席した。
カザン宣言では「持続可能な農業生産の拡大はAPEC地域の食料安保のため不可欠」であることに合意。
農業生産の増大と生産性の向上が必要だとし、「農業の正の外部性を考慮」という表現で多面的機能にも言及した。また、「個々の地域にとって最適な方法」で農業生産をすることも盛り込み、日本が主張している「多様な農業」にも合意した。 そのほか気候変動への対応、女性農業者の重要性にも触れている。 一方、貿易問題では食料の禁輸・輸出制限が「食料価格の乱高下を生じる」ことも盛り込み、G20の枠組みで「食料価格の乱高下と農業に関する行動計画」が策定されることを「歓迎する」とした。 そのほか▽食品の安全性と品質の向上、▽社会的弱者の食料アクセスの改善なども盛り込まれている。