農政・農協ニュース

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TPP断固阻止で特別決議  JA全中が臨時総会

 JA全中は臨時総会を8月8日東京會舘で開いた。平成23年度の事業報告をはじめ役員の補欠選任などを承認し、TPP交渉参加断固阻止に向けた特別決議(別掲)を採択した。

あいさつする萬歳会長 開会のあいさつで萬歳章会長はJAグループが直面する課題として▽TPP▽国際協同組合年▽中央会改革の3点について所信を述べた。
 TPPについては交渉参加に対する政府の前のめりな姿勢は変わらず、政局が混迷するなか今後もTPP参加の議論が一気に進展することが懸念されるとして「先頭に立ちTPP交渉参加断固阻止に徹底した運動を貫いていく」と強調し、国際協同組合年については昨今の日本の政治・経済に対する閉塞感の解決に貢献するのは「協同の力」であるとして、「役職員が協同の理念に理解を深めJAに結集することが肝要。協同組合の価値や意義を情報発信してほしい」と求めた。
 また中央会改革については「機能体制整理推進会議」を設置し、来年度から3年間の次期行動計画の策定に向けた検討を行っていると述べた。
 役員は菖蒲奥典侑氏と牟田天平氏の理事2名の辞任にともない、新たにJA紀南(和歌山)組合長の中家徹氏とJA全青協会長の遠藤友彦氏を選任した。

(写真)あいさつする萬歳会長

 


TPP交渉参加断固阻止に向けた特別決議

 TPP(環太平洋連携協定)について、菅前総理が、関係国との協議開始に言及してから2年近くが経過した。この間、JAグループは、TPP交渉参加断固阻止を掲げ、広範な団体と連携し、1167万人の反対署名や、国会への請願活動など、
様々な運動を展開してきた。
 しかし、政府は依然として前のめりの姿勢を崩さず、一部の推進派は、6月のメキシコ、カナダのTPP交渉参加承認を踏まえて、早期の交渉参加表明を目指す動きを更に強めている。野田総理自らが国民に約束した「情報の開示」や「国民的議論」がなされていないにも関わらず、野田総理や一部の閣僚は、交渉参加を急ぐ発言を繰り返し主張している。
 また、交渉参加に前のめりの日本政府は、米国から参加条件として提示された自動車、郵政、牛肉について、米国と水面下で交渉を行っていると疑わざるを得ない。交渉参加を優先し、国益を損ねる入場料を支払うようなことは、断じて認められない。
 TPP交渉が目指す例外なき関税撤廃は、わが国農業を壊滅に導くものであり、大多数の国民が望む食料自給率の向上は到底実現できなくなる。また、規制・制度等の統一は、食品表示・検疫、公共事業、医療・保険等、食と暮らし、いのちを守るわが国の制度を崩壊させることになる。
 我々は、国民の食と暮らし、いのちを守るため、引き続き、農林漁業者、消費者、医療関係者等との連携に取り組むとともに、多くの国民の理解と支持を得て、国会議員の賛同を得る運動を一層強化し、政府が交渉参加を断念するまで、徹底して運動を展開していく。

(2012.08.09)