◆米の消費減が影響
23年度は小麦の単収が平年比68%だった前年にくらべ、同91%と伸び、カロリーベース自給率を0.4ポイント引き上げる要因となった。また、飼料用米の生産量は22年産の8万1000tから23年産は18万3000tへと大きく増えたことで飼料自給率は1%上昇し26%となった。
しかし、米の1人1年あたりの消費量が前年の59.5kgから57.8kgへ減少したことや、東日本大震災の影響で魚介類の国内生産量が48.5万t減(▲10%)となったことなどがマイナス要因となり、カロリーベースの自給率は前年と同率の39%となった。(計算値では38.62%)。米の需要は昨年の震災発生直後に食料不安から買いだめの傾向が見られ、一時は購入数量が増えたがその後は減少した。
◆牛肉、野菜の価格下落
生産額ベースの食料自給率は前年度から4ポイント低下して66%となった。
震災の影響による需要減でとくに国産牛肉の単価は12%低下、魚介類も生産量の減少で生産額が下がった。
野菜の価格低下も影響した。前年度比でキャベツは23%減、ねぎは21%減、たまねぎは19%減となるなど平均で5%下落した。
平成22年3月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画では平成32年度にカロリーベースの食料自給率を50%、生産額ベースのそれを70%に引き上げることを目標としている。
23年度の食料自給率について郡司彰農相は東日本大震災の影響が表れた結果との認識を示し、そのなかでも飼料自給率が1%上昇するなど自給率引き上げに向けた一定の成果も出ていると評価、「今後とも戸別所得補償制度、6次産業化などさまざまな施策を複合的に推進していきたい」と述べた。